暗愁

感情備忘録

人身事故

大学生のとき、同期が電車で人身事故を起こして亡くなった
自ら踏切を飛び越えて電車の前に飛び込んだらしい

その子とは、特別仲がいいわけではなかったが、あいさつはするような
そんな、なんてことない関係

事故後、その子の友達らが
「なんで相談してくれなかったのかな」
「苦しんでることに気づいてあげられなかった」と
とても落ち込んでいた
(それは、周囲の人の傲慢な感情だとは思う)

しばらくすると、その子の母親が私物を引き取りにきて
家族間でなにか問題があったんじゃないかと、うすら噂が流れては消えていった

結局、だれもなにもわからなかった

近くにいればいるほど、その人のことを分かった気になってしまう

なにもわかっていないくせにわかった気になっている人たちに、心の内を話せるはずなかったよね



最近、人身事故のニュースを目にし、ふと亡くなったその子のことを思い出した
そして、わたしはずっとその子のことを忘れていたことに気づいた
わたしもだし、きっと、同期のほとんどみんなが
その子のことを今まで思い出さなかったと思う


そんなんだからなんだと思った



人の命ってこんなにもちっぽけなものなんだ
そして、人が一人死んだところで世界は何も変わりはしないのだ

そう思ったりなどした