暗愁

感情備忘録

死にたいよりも、きっと
生きていたくないの方が近いんだと思う

何かに悩んでいるわけでもないけれど

わたしは冷たい床に寝そべったままで
ただひたすら静かに、そして青暗い憂鬱に包まれてどこまでも沈んでいくような、そんなきもちになる時がある

わたしの手は小さくて
抱えきれなかった孤独と憂鬱が指の隙間から溢れ落ちる
そしてそれらが床を侵していく
それをみてわたしはなんだか、また悲しくなってしまうのだ

人身事故

大学生のとき、同期が電車で人身事故を起こして亡くなった
自ら踏切を飛び越えて電車の前に飛び込んだらしい

その子とは、特別仲がいいわけではなかったが、あいさつはするような
そんな、なんてことない関係

事故後、その子の友達らが
「なんで相談してくれなかったのかな」
「苦しんでることに気づいてあげられなかった」と
とても落ち込んでいた
(それは、周囲の人の傲慢な感情だとは思う)

しばらくすると、その子の母親が私物を引き取りにきて
家族間でなにか問題があったんじゃないかと、うすら噂が流れては消えていった

結局、だれもなにもわからなかった

近くにいればいるほど、その人のことを分かった気になってしまう

なにもわかっていないくせにわかった気になっている人たちに、心の内を話せるはずなかったよね



最近、人身事故のニュースを目にし、ふと亡くなったその子のことを思い出した
そして、わたしはずっとその子のことを忘れていたことに気づいた
わたしもだし、きっと、同期のほとんどみんなが
その子のことを今まで思い出さなかったと思う


そんなんだからなんだと思った



人の命ってこんなにもちっぽけなものなんだ
そして、人が一人死んだところで世界は何も変わりはしないのだ

そう思ったりなどした

死にたい気持ちとの向き合い方

死にたくなってどうしようもない気持ちに追いつめられた時、みんなどうやって対処してるのかな?

ふと疑問に思い
そう、彼女に尋ねた

すると
あのね、普通の人は、まず死にたい気持ちになんてならないんだよ
と、彼女は悲しそうな顔をして教えてくれた

自分の胸の真ん中あたりを、ナイフでグサグサと何回も刺したい気持ちが止まらなくなったり
踏切の前で、迫りくる電車の前に飛びだしてしまいたくなる衝動がはしる

それを感じることのない人生って、どんな感じなんだろう

彼女とわたし

彼女に初めて「死にたい」とこぼしてしまった時に

「死んじゃう…」
と、彼女に泣かれてしまった

あぁ…この子は、「死なないで」なんていう無責任な言葉は使わないのか

この子はきっと、言葉を大切にしている
言葉のもつ重み
そして、言葉が誰かの辛さになることを知っているのだろう


この子はすごいな、と思った


そして、なんの音も漏らさずにただ静かに涙を流した彼女は
いつもより小さく見えた